神性への内証

書道家鈴木宥仁

2010年07月17日 14:13

本日は旧作です・・・

この当時、書いていたものは自身の事ながら
未だに説明に困ったりします
このころの作品は
自身への内証、神的なものの現われ…




書いた文字は
左が「虫」
右が「光」

「虫」と言う漢字は以前にもどこかで書いたかもしれませんが
元々はヘビの象形…使われていく過程で昆虫として
本来の意味が失われて行きました

この「虫」と言う漢字、そして蛇…
太古より人にとっては精霊的な…神的な存在の現われとして
信仰の対象でした

辞書からの抜粋では…
足を持たない長い体や毒をもつこと、脱皮をすることから「死と再生」を連想させること、長い間餌を食べなくても生きている生命力などにより、古来より「神の使い」などとして各地でヘビを崇める風習が発生した。最近でもヘビの抜け殻(脱皮したあとの殻)が「お金が貯まる」として財布に入れるなどの風習がある。また、漢方医学や民間療法の薬としてもよく使われる。日本でも白ヘビは幸運の象徴とされ特に岩国のシロヘビは有名である。 また、赤城山の赤城大明神も大蛇神であり有名であるといえる。

日本の古語ではヘビのことを、カガチ、ハハ、あるいはカ(ハ)等と呼んだ。民俗学者の吉野裕子によれば、これらを語源とする語は多く、鏡(ヘビの目)、鏡餅(ヘビの身=とぐろを巻いた姿の餅)、ウワバミ(ヘビの身、大蛇を指す)、かかし(カガシ)、カガチ(ホオズキの別名、蔓草、実の三角形に近い形状からヘビの体や頭部を連想)等があり、神(カミ=カ「蛇」ミ「身」)もヘビを元にするという。[ただし、カガチはホオズキの古語、鏡の語源は「かが(影)+み(見)」

そして対の「光」には
光そのものが持っている「神性」
そしてその象形の中に伏して祈る巫女的な造形を求めたものでした

それによって
神と人
男性性と女性性
この世界に根源的にある対の真理
そう言う事を求めていく中で
よくわからないパワーに書かされた
…当時はそのような感じでした

そして今思い返してみれば
それはどこから来たわけでもなく
ただ自身の中に有ったもの
「神」的なものであると同時に
何者にもなろうとしない謙虚さと共に
常に在る自分自身
…そんな気がいたしました



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